不全型川崎病でした



平成12年4月に2歳5ヶ月になる息子が川崎病と診断され約3週間入院しました。息子の場合、当初、かかりつけの小児科医では風邪と診断され、抗生物質を処方して頂いていました。しかし、5日間経っても高熱が引かず、その日がたまたま日曜日だったため、総合病院の救急診療にかかったところ、そのまま入院となりました。

入院した総合病院での初期の判断では、BCGの痕が赤く腫れてはいるものの、川崎病に当てはまる6つの症状のうち、高熱と結膜充血以外の症状が出ていなかったため、細菌感染症、もしくは川崎病の可能性もあり、とのことで、どちらかというと前者の疑いが濃いというニュアンスでした。実際、入院後の抗生物質の投与数日で、CRP並びに白血球の数値が改善に向かっていたため、正直なところ、私どもとしましても川崎病についてはそれほど意識していませんでした(妻は川崎病について知っていましたが、私自身は川崎病自体を知りませんでした)。

 しかし、数日後、数値にそれ以上の改善が見られなかったため、念のため心エコーを行うこととなり、ここで心臓の冠状脈の炎症(確か2.7mmほど)が見つかって、初めて川崎病と診断されました。細菌感染症と思っていた私どもにとってはまさに青天の霹靂で、その時は、なんて運がないことだ、と思い、涙も出ましたが、今考えると、主治医が早期に川崎病を疑って詳しい検査を行い、治療を始めてくれたことは不幸中の幸いだったと思います。早速、同日から5日間、ヒト免疫グロブリンの集中投与となりました。また、この頃から唇が赤くなり苺舌となってきたため、私どもも川崎病という診断を受け入れ、立ち向かわざるを得ない気持ちになりました。

 主治医の判断・処置が早かったためか、入院2週間後の検査では、CRP値並びに冠状脈の炎症もほぼ正常に戻り、以後1週間の経過観察期間を経て、おかげ様で20日目にして退院できました。結局、川崎病の典型である指先の皮膚が剥ける症状や(お尻の皮膚は剥けました)、発疹、リンパ節の腫れは出ないままに、退院に至りました(このHPの投稿を読ませて頂いて、初めてこのような川崎病が「不全型川崎病」と呼ばれていることを知った次第です)。

息子の場合、幸いにも後遺症は残っていないので特に運動制限はされていません。退院後の検査は、1週間後、次は2週間後、1ヵ月後…と、順調なら徐々に間隔をあけて心エコーと心電図を行い、アスピリンは1日3回服用を数ヶ月続け、状態を見ながら量を調節するそうです。しかし、退院したとはいっても、親としては心配の種は尽きません。おそらく、川崎病にかかった多くの子供たちは、今も元気に普通の子と変わらぬ生活を送ってくれていることと思いますが、川崎病の原因が究明されていないだけに、息子と同じような症例で再発したお話、後遺症のお話などをこのHPで読むにつけ、息子の将来に漠然とした不安を覚えます。今だけのことで言っても、アスピリンを服用することにより血液が凝固しにくくなると聞けば、遊び盛りの息子ですから保育園で大きな怪我でもしないものか、と不安になりますし、副作用で肝機能障害を引き起こす場合があると聞けば、他に代用となる薬はないものか、と医学に疎い私は思ってしまいます。

 ただ、起きてもいないことを、いつもいつも危惧していてもどうしようもありません。親としてできることは、川崎病についての正しい情報を集め、そこから知識を得ること、息子の健康状態にできる限り気を配り、小さな変化も見逃さないこと、もし変化があれば一刻も早く主治医にみせること、それくらいしかありません。川崎病再発の危険性は、1年を経過するとかなり減るとのお話なので、まずは何事も無く1年を迎えられるよう祈りつつ、息子のことを見守って行きたいと思っています。実家の両親をはじめ、保育園の先生、その他周りのみなさんにもご迷惑をかけることもあるかと思いますが、どうぞご理解、ご協力頂けますようよろしくお願いします。最後になりますが、入院中お世話になった主治医の先生、看護婦さん、看護学生のみなさん、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。